家事専業主婦の問題 《経済・雇用・家族》

高度経済成長期以降、雇用労働者家族が増加するに伴って、夫の賃金収入に依存し、家事・育児に専念する「専業主婦」が増加した。

核家族の孤立化、消費革命の浸透による家事労働の軽減化や少産化による育児期間の短縮化など、生活構造と生活周期の変化が進んだため、専業主婦のなかには生きがいを喪失し、空虚感、孤独感に悩むなどの問題を訴える者が多くなっている。

とくに、末子が小学校に入ると、1人で家庭にいる時間が長くなり、孤独感を強く感じるようになることから、再就職、学習活動、文化活動、消費者活動、ボランティア活動、住民運動など、なんらかの形で社会参加する者が増加している。

しかし、一方では夫が妻の社会参加を抑圧したり、地域社会に主婦が社会参加する適当な機会が乏しいなどのため、疎外感に悩み、「主婦症候群」になったり、台所での飲酒によるアルコール依存症に陥ったりする主婦も増加している。

また、賃金の支払われない家事労働などは無償労働といわれ、その大半は専業主婦を中心とする女性が担っている。

1990年代後半以降、無償労働を社会的に評価する必要性が強調されている。高齢化社会が進展するに伴って老後問題が大きな課題になっているが、女性にとってとくに切実な問題である。

女性は平均余命が男性より長いため、老人には女性の比率が高い。

しかも、夫よりも年下の妻が多いので、配偶者のない老人には女性が多い。

年金は、被用者年金は加入期間が短く賃金が低い女性労働者は低額であり、主婦は遺族年金または老齢基礎年金しか受けられない。

このような条件のため、老後の生活費や介護などに不安を感じている女性が多い。

さらに、結婚相手になる年齢層の男性が戦争で大量に失われているため、独身生活を余儀なくされてきた世代の「独身高齢女性」をめぐる問題も社会問題化している。
update:2010年02月24日